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からだとは・病とは(1) 漢方とは
年末、一歳八ヶ月の息子がカゼをひいた。 寒風の中で遊ばせた日の夜、鼻水が出るよう になった。翌々日には微熱が出てきて、つら そうな感じとなった。咳もする。何回か軽く 鍼治療をし、保温等に気をつけた。表面的な 熱はなくなり、つらそうな感じは減った。だ が、痰がからんだ咳を時々する。不機嫌にな りやすく、食欲がない。背側に手をかざして 診ると、肩甲骨の間から強い〈気〉の放射を 感じる。熱気がこもっている。カゼは気管支 に入り込んで、ほぼそこだけに居座っている。 そこで麻杏甘石湯証と判断した。麻杏甘石湯 という薬方を作って煎じ、飲ませた。
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からだとは・病とは(2) 漢方のカゼ薬
漢方のカゼ薬と言えば、葛根湯が有名であ る。葛根湯はカゼが本格化し、表面的に熱気 が強く、本人が寒けを感じる本格化したカゼ の初期で特に肩周辺の凝りが強い場合に用い られる。熱気は鼻から胸上部にかけて盛んで、 頭部や背部に発散しようとしているが、肩周 辺の凝りが強く、発散が阻害されている。そ うした状態を葛根湯証という。言ってみれば 「元気な」カゼの本格化した初期になりやす い状態である。初期でなくても状態が同じな らば用いることができる。
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からだとは・病とは(3) 病名漢方と副作用
「カゼには葛根湯」というように漢方薬が 使われ、それが「漢方」(東洋医学)だと誤解 されている。これは漢方を巡る社会制度の反 映でもある。
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からだとは・病とは(4) 漢方と鍼灸
鍼灸・気功治療をする私が漢方薬について語 るのを不思議に思った方もいるかもしれない。 鍼灸と漢方薬は同じ東洋医学といっても、その 拠り所とする内容は通常かなり違っている。 東洋医学の最も重要で古い古典は『黄帝内経』 と『傷寒雑病論』である。『黄帝内経』は『素問』・ 『霊枢』に別れ、『傷寒雑病論』は『傷寒論』・『金 匱要略』に分かれる。通常、鍼灸家は『素問』・ 『霊枢』を学び、漢方薬を使う治療家は『素問』 と『傷寒論』・『金匱要略』を学ぶ。
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からだとは・病とは(5) 癌と宣告される前に
癌と宣告される前に、あるいは既に宣告され ていたとしても、考えてもらいたいことがある。
私は最近、ある癌患者の治療をきっかけとし て、2冊の本を読み、癌についての認識を改め た。読んだ本は『患者よ、がんと闘うな』(近藤 誠)と『免疫革命』(安保徹)である。放射線科 医師である近藤氏は、病気や臓器を見るだけで 人を見ないという西洋医学に対する批判を、そ れを用いる医師の問題とし、科学的な西洋医学 の再構築をしようとしている。一方、免疫学者 である安保氏は、東洋医学に学び、統合的な視 点を持った新しい西洋医学を構想している。2 人の立場は全く違うが、2冊を読み合わせるこ とで、まとまった納得できる認識が生まれた.
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からだとは・病とは(6) 癌常識の壁
社会の中で生きる人間にとって、その社会の 常識はまるで壁のように拘束するものとなって いる。にもかかわらず、時代が進むと、そうし た常識が、それが信じられていたことが信じら れない程に感じられるようになってしまうこと もある。『免疫革命』のあとがきに、昭和 40 年 頃は激しい下痢患者には水を飲ませなかったと いう話が載っている。そうした常識の為に、疫 痢にかかって水を非常に飲みたがったが、水を 与えられずにたいへん苦しんで亡くなった方も いた(本多勝一『はるかなる東洋医学』)。
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からだとは・病とは(7) 癌最新治療という誘惑
「人間の持つ全遺伝子情報(ヒトゲノム)の 解読やバイオ技術の進歩によって、がんの分子 標的治療薬が登場した」という書き出しの記事 が中日新聞に載った(5 月 14日)。「従来の抗が ん剤は、がん細胞と同時に、正常細胞にも作用 し、有効性と副作用は表裏一体だった。分子標 的治療薬は‥がん細胞に特徴的な分子を標的に 開発されるため副作用はぐっと低減する」(同 記事)。 こう聞くと、抗癌剤の副作用の問題が解決し てしまうかに思える。患者がこうした最新治療 を受けたいと思うのは当然である。
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からだとは・病とは(8) 抗生物質耐性菌の体験
七月半ばに五歳の娘がとびひ ・・・ になった。娘の 鼻粘膜に黄色ブドウ球菌が常在していて、それ が着いた指でボリボリと体を掻いた為に体のあ ちこちが発疹したのだと思う。
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からだとは・病とは(9) 天気図的病気観
今年ほど異常気象を感じたことはなかった。 梅雨が短く、猛暑が続いた。台風はいつもとは 進路を異にしてやたらと日本に上陸した。秋の 長雨はやっと終ったように見えるが、長く続い ていた。 私の治療院のパンフレットには天気図が載せ てある。低気圧や前線が日本付近にある悪天候 の図と、等圧線の間隔が広くて穏やかな天候の 図である。私のからだの見方、からだをイメー ジする仕方が天気図に近いからだ。
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からだとは・病とは(10) 攻める東洋医学
東洋医学には一般に「ゆっくり」であるとか、 「やさしく」、「補う」、「温める」というような イメージがあるようである。 安保徹氏も『免疫革命』の中で、「ゆっくりと 身体の生体反応を刺激して治療を促すという治 療」とか、「西洋医学は直接病変に働きかけます が、代替医学は生体反応を利用していくため、 ゆっくり効いていきます」と東洋医学を捉えて いる。自己治癒力(免疫力を含む)を高め、病 変あるいは病の根本的な原因となっている局所 に対して、直接ではなく間接的に立ち向かう方 法と思われているようである。それば養生に近 い、守りの治療である。 東洋医学にはこうした守りの側面だけでなく、 攻める側面がある。
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からだとは・病とは(11) 東洋医学的なか ・ ら ・ だ ・
温補の漢方が盛んで有効な治療となっていな かった江戸時代に、徹底的に攻める漢方を創成 し、難病を治療した人がいた。古方漢方の祖・ 吉益東洞である。抽象的な理論による頭でっか ちな漢方が当時主流であった。それに対して、 深い学問と磨かれた感性を持った東洞は実際の 臨床経験によって、〈病は全て体内の毒による〉 という真実を悟得した。そしてその毒を排出さ せる為に徹底的に攻めたわけである。
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からだとは・病とは(12) 太陽と月と赤穂浪士
1702 年の今日、赤穂浪士が吉良邸に討ち入っ た。旧暦 12 月 14日(現行暦では 1月 30 日に当 たる)であるから、ほぼ満月の日であった。立 春前の寒中である。温暖化している現在でもや はり寒いが、江戸時代であるから、さぞ寒い日 であったろう。 まだ割りと暖かかった昨年 12 月 14日、中日 新聞夕刊第一面の下のコラムに、「きょう、十四 日は赤穂浪士が‥吉良邸に討ち入った日。もち ろん旧暦である。一七〇二(元禄十五)年、年 の瀬は寒かったという」とあった。「もちろん旧 暦」とあるにもかかわらず、現行暦の日付と旧 暦の日付を混同している。今日のコラムにこそ、 取り上げられるべき話題であった。
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からだとは・病とは(13) 黄色い財布の謎
おばあさんの患者さんが「白い財布がいいと 前は聞いていたのに、今日のチラシには黄色い 財布がいいと書いてあった」と困惑していた。 これは全ての物事を木 もく 火 か 土 ど 金 ごん 水 すい の五つ(五 ご 行 ぎょう )に分類して見る五行論から来ている。木 もく は 火 か を生み、火 か は土 ど を生み、土 ど は金 ごん を生み、金 ごん は 水 すい を生み、水 すい は木 もく を生む関係がある。青赤黄白 黒の五色も五行に分類される。青が木 もく 、赤が火 か 、 黄が土 ど 、白が金 ごん 、黒が水 すい である。つまり白い財 布は金 ごん =「お金」ということになり、黄色い財 布は金 ごん =「お金」を生むということになる。
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からだとは・病とは(14) 春は浮き浮き
春分。春たけなわである。浮き浮きしないよ うでは何かが病んでいる。
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からだとは・病とは(15) 生活の時 ときを正す
本来の桃の節句(雛祭)である4月 11 日 (旧暦3月3日)、我が家も隣の家も、桃の花 がきれいに咲いていた。その頃、桜はやっと 満開になった。気象庁の暖冬予報に反して、 だらだらと寒さが続いていた為だ。今年は旧 暦の正月が立春を過ぎていて、そういう年は 春が遅く、寒さが続くという旧暦信奉者の話 は当たっていた。
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からだとは・病とは(16) 夏は発散すべし
季節を話題にした文章を書いているせい で、いつも以上に季節を意識している。先5 月5日に立夏を迎えた。夏に入った。だいた いこの頃を境に、朝・夕の寒さが緩んだ。以 前は昼には暑くなっても、朝・夕はしっかり と寒くなっていた。ところが今は「寒い」と 言うより「涼しい」という言葉が似合う。 もう一つ、立夏の頃を境に花が目立つよう になった。そして花が盛んになって来ると同 時に、蝶が舞い始めた。季節感がずれた現代 では、今を「春」と思っている人も多いよう だが、花盛りの季節は夏なのである。春の上 昇の気によって、初春にツンととび出た芽は、 春の間にグイグイと伸び、夏になって花を咲 かせたわけである。
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からだとは・病とは(17) 紫陽花 あじさい の道
梅雨入りした。紫陽花 あ じ さ い
の季節となった。
紫陽花 あ じ さ い はガクアジサイを原種とする日本固有 の花で万葉集にも登場する。梅雨は日本の特
徴的な季節である。梅雨と紫陽花 あ じ さ い と日本の風 土は一つながりの関係にある。 日本の夏は梅雨が明けても湿度が高い。中 国にも梅雨があるそうだが、中国は全般的に は乾燥している。島国と大陸の違いである。
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からだとは・病とは(18) 早朝の文学
娘が小学校に入学して4ヶ月近くになる。 娘の朝仕度の為に早起きしなければならなく なった機会に、春・夏は夜明け頃に起きるの
が良いという『黄帝内経 こうていだいけい 』に学んで、私は4 月から早起きをしている。4月は5時半頃だ ったのが今は5時頃になっている。最初は苦 痛だったが、今は以前に遅く起きていた時よ りも気分がいい。寝る時刻も10時前になって いる。その頃になると眠くなる。 この頃の早朝はとても気持ちがいい。
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からだとは・病とは(19) 腹と鍼研修会
昨年 10 月から鍼の研修会を開いている。
鍼灸学校に入ったばかりの人は、からだ ・・・ や病 の見方に関して、一般の人とほとんど変わら ない。初心者に教えるに当たって最も大切だ
と思ったのは、鍼によってからだ ・・・ が変化し良 くなるという体験をしてもらうということで ある。しかも患者の自覚としてでなく、施術 者が明確に分かるものでなければならない。
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からだとは・病とは(20) 秋は引き締めていきましょう
季節は晩秋に入った。今年は秋の長雨の時 期が遅れている。旧体育の日(10 月 10 日)は 東京オリンピック開催日に由来するが、そも そも開催日がこの日になったのは、秋の長雨 が終わり晴れる確率が高い時期であるからで あった(気象庁 HP)。 9 月のことだが、娘が夏休み中育てていた 朝顔の種を勝手に植木鉢に蒔いたら、芽を出 し、成長した。驚いたのは、まだ 20cm.の高 さにもならないのに花が咲き、食卓に飾れる 鉢植えができたことである。朝顔は夏と間違 えず、秋を感じていたわけだ。 「黄帝内経・四気調神大論篇」の秋につい ての部分を意訳してみる。
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からだとは・病とは(21) 冬は落葉樹と熊を見習うか
立冬を過ぎた。小1の娘は朝の大気に「雪 の匂いがする」と言う。「黄帝内経・四気調神 大論篇」の冬についての部分を意訳してみる。
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からだとは・病とは(22) 「これからだ」と思える老後
老人になって、「もう駄目だ」という思い をする人と、「これからだ」という人がいる。 そういう話を師から聞いた。かのきんさん・ ぎんさんは百歳の祝い金をもらった時、マス コミに使途を聞かれて、「老後の為に使いま す」と答えたそうだ。百歳を越えてからも現 役彫刻家として活躍し、百七歳まで生きた平 櫛田中は、「六十、七十は鼻たれ小僧、男ざか りは、百から百から、わしもこれからこれか ら」と言った(註)。
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からだとは・病とは(23) あなたは食を活かしているか
今は昔。二十代の時、私は安全な畜産をや っている北海道の興農塾(現・興農ファーム) 主催の祭に参加した。コンピュータ・ソフト の会社を退職し、失業保険をもらっていた時 だった。当時、興農塾は元・日大全共闘メン バー三家族でやっていて、祭には東京演劇ア ンサンブルと水俣の柳田さんらのグループが 来た。牧場で牛の丸焼きをし、「走れメロス」 の野外劇を観た。祭の後、半月ほど居候させ てもらった。
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からだとは・病とは(24) 統合失調症 ― 心の病 ―
私は以前、東京の調布にある鍼灸院にいた。 その近くに、クッキングハウスという心の病 を持った人の居場所作りをしている団体があ り、レストランを開いていた。そこでは心の 病を持ったメンバーが、スタッフやボランテ ィアと共に、調理をし、給仕をし、会計をす る。ある客は「お客よりお店の人が多い、不 思議なレストラン」と言ったそうである。私 は当時、昼食をよくそこで食べた。その縁で 会報が今でも届く。
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からだとは・病とは(25) 子宮筋腫・卵巣腫瘍
3月3日の中日新聞の記事(「不調を感じ たら産婦人科へ」)にこうあった。
「昨年春から、インフルエンザ、帯状疱疹、
扁桃炎…と、毎月のように病気になり「これ は変だぞ」と思った記者(38)。秋に・・婦 人科の超音波検査で卵巣腫瘍が見つかった。 手術で良性と判明し胸をなで下ろしたが、病 気になりやすかったのもこのためだったのだ ろうか。・・
病気になりやすかったのが卵巣腫瘍の為 だと思った、この記者の思いは正しい。
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からだとは・病とは(26) 便秘 バナナ…を目指して
「便通をよくする為に毎朝、水を飲んでい ます」という患者さんがよくいる。陽証の便 秘ならば、それ程、問題ないが、陰証の便秘 の場合にはよくない。 冷え症ぎみの人が慢性的に便通が悪いの は陰証の便秘である。水穀を運ぶ蠕動が弱く、 水分吸収も悪いなど、胃腸の働きが悪いから、 便秘するわけである。胃腸が冷えているわけ である。だから普段は軟便ですっきりとせず、 時に下痢し、時に便秘する。便秘した時に下 剤で出すと、先頭はやや硬いが、続いて出る 便はかなり軟らかい。便秘が何日も続いた場 合、下剤を飲むことは仕方ないことである。 だが普段から水を飲んだり下剤を飲んだりと、 胃腸を冷やすことを習慣的にすれば、更に胃 腸は冷えて便通は悪くなる。悪循環である。
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からだとは・病とは(27) 赤ちゃんと蜂蜜と腸と冷飲食
前回、「胃腸が働かず食べても消化吸収が できない」と書いていて、正常な腸は単に吸 収しているのではないことを思い出した。 一歳未満の赤ちゃんに蜂蜜がいけないこ とをお母さん方ならば知っているだろう。だ が何故いけないのか。それは蜂蜜にはボツリ ヌス菌の芽胞が含まれていることがあるから とは私も聞いていたが、では何故、大人には 問題ないのかが疑問のままであった。 もう一つの別の疑問があった。母乳育児の 利点として、母乳には免疫グロブリンが含ま れるということが言われるが、免疫グロブリ ンの様な高分子タンパク質が腸でそのまま吸 収されるのかという疑問である。高校の時に も、鍼灸専門学校の時にも、「タンパク質はア ミノ酸に分解されて吸収される」と教わった 覚えがあった。
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からだとは・病とは(28) 赤ちゃんとおっぱい .... と呼吸と免疫
前回、腸の吸収阻止の働きで『赤ちゃんの
生命 いのち
のきまり』(西原克成著)(以下、『きま り』と略す)を紹介した。赤ちゃんの正食が母 乳であることは、自然を考えてみれば、極め て当たり前のことである。人工乳の方が母乳 より優れているという様な偏狭な科学的知識 によくよく騙されてはいけない。今回は母乳 ではなく、おっぱい .... の効用について、『きまり』 の内容を紹介したいと思う。 マジメな想像として、大人である自分が試 しにおっぱいを ..... 飲む姿を先ず、思い浮かべて 欲しい。おそらく乳首をストローの如く口先 で挟んで吸うだろう。飲み続ける場合には、 チューチューと吸い、息が切れると一端休ん で、またチューチューと吸うという具合に想 像するだろうか。
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からだとは・病とは(29) 保健所がフッ素推進に来た
息子が通っている幼稚園で、保健所の方が フッ素利用推進教育(虫歯予防)をするとい うことで、参加した。 以前、現在小学校二年の娘が在園中はフッ 素入り歯磨き粉で歯磨き指導が行われていた が、その時はフッ素が入ってなく、また合成 界面活性剤を使用していない歯磨き粉で済ま せていた。家では通常、歯ブラシだけでの歯 磨きである。娘の同級生には幼稚園の頃から 虫歯の子が多くいたが、娘は現在まで虫歯に なったことはない。 なぜ同級生に虫歯が多いかと考えると、最 大の原因は「だらだら間食」であると思う。 歯がいつも糖液に浸されている様な状態だ。 唾液には歯の修復作用があるが、それがこの 状態では働かない。
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からだとは・病とは(30) 続・保健所がフッ素推進に来た
WHO が「6 歳未満のフッ素洗口は禁忌」と しているということへの見解が、浜松市歯の 健康センター所長から回答された。その内容 を引用する。
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からだとは・病とは(31) お産と身体的自然
8 月 20 日の中日新聞日曜版の「世界と日本 大図解シリーズ」ではお産がテーマとなって いた。「自然で主体的なお産」ということで有 名なファン助産院(東京都杉並区)が載って いた。以前、有名とは知らず、娘(現在 7歳) の時にお世話になった。徒歩 20分の近さに住 んでいた上に、たまたま私の患者がそこで産 み、様子も分かっていた。「自然で主体的なお 産」というのは病院で行われる様な医療措置 (陣痛促進剤・帝王切開等)を受けず、妊婦 自身が産む時の姿勢や環境など選ぶお産のこ とをいう。病院では、今では減って来ている 様だが、以前、必要性の有無に関係なく誰で も浣腸・剃毛・会陰切開等が行われていた。
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からだとは・病とは(32) 原生林の自然と里山の自然
中日新聞連載の《晴れた日には里笛吹い て》(岡進)(8月13日)にこうあった(要約)。

クヌギやコナラ林を更新する為にある範囲で皆伐したら、通りかかったハイカーに「横 暴」、「自然は自然に任すのが良い」とヒステ リックに言われました。そこで、放置されサ サに覆われて暗い、人を寄せつけない不気味 な林に案内しました。

「自然を守る」とはよく言われるが、その 内容は十分に理解されていない。自然のあり 方、それに対する人類のかかわり(人工物)、 そうした事があいまいなまま、「自然を守る」 「自然との共生」というお題目が唱えられて いるのではないか。
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からだとは・病とは(33) ラスト・サムライと教育基本法
毎年 12 月は、鍼関係の会の機関誌『いや しの道』を編集するのを手伝っているので忙 しい。今号は編集後記にこう書いた。

「ラスト・サムライ」という映画を観た。 昨年の課題図書であった『日本の弓術』を 思い出した。明治初め、西洋文化を取り入 れ急激な近代化が行われた。その中で失わ れようとしている武士道を描いたものだ。 銃器を使った戦闘を指導する為に日本に来 たアメリカ人の主人公は、武士道を守ろう とする勢力の村で異文化体験をする。「興 味深い人々だ。朝目覚めた時から、それぞ れが献身的にそれぞれの勤めをはげむ」。剣 の訓練では「刀を気にして、周りを気にし て、考え過ぎです」と言われる。その勢力 は近代的な銃器によって壊滅させられる が、武士道精神は負けなかった。
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からだとは・病とは(34) つわりと車酔いのメカニズム
妊娠してつわり がたいへんだという話を 聞く。多くの場合、おさまる時期を待ってい るだけのようだ。鍼灸治療を受けたり、漢方 薬を飲んだりすれば良いと思うのだが、世間 の常識をそうなっていない。つわり の時に使 われる漢方薬で小半夏加茯苓湯(しょうはん げかぶくりょうとう)がある。
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からだとは・病とは(35) 腹中雷鳴
ある患者さんが言っていた。その紹介した 患者さん(子供)の付き添いで来ているお母 さんが、「子供の鍼治療に付き添っていると、 お腹が鳴って恥ずかしい」と言っていると。 普段はそんなにお腹が鳴っているわけではな いのに、子供の治療の時になると、やたらと 鳴るというわけである。 お腹がキュルキュルとかグルグルとか鳴 ることを「腹中雷鳴」と言う。胃腸の働きが 悪く、多くの場合、水が溜まっていて、何か の刺激で急に胃腸が動く時の音である。
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からだとは・病とは(36) 腰痛と陰主陽従
鍼灸に馴染みのない人たちからは、鍼灸と 言えば、肩凝り・腰痛ぐらいにしか効かない と思われている。そして肩凝り・腰痛は単純 に肩や腰の問題だと理解されているが、東洋 医学的に観た肩凝り・腰痛は、単に肩や腰の 問題ではない。 「陰主陽従」という言葉がある。目立って いるもの(陽 よう )の陰(かげ)にその現象の主 体(陰 いん )があるという意味である。東洋医学 はからだを全体的に観ると言われる。全体的 に観る見方として「陰主陽従」 の観点がある。陰陽論である。
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からだとは・病とは(37) 慢性病の治り方と待てない現代
物事の変化の仕方はいつも同じではない。 こんな変化の仕方もある。蕾ができて咲くま での変化。蕾は外から見ると変化していない 様だが、内部の変化が満ちるのか、あるいは あるきっかけを待っていて、ある時、フッと 花開く。変化は必ずしもなめらかに少しずつ 起こるわけではない。実際にはなめらかに少 しずつ変化していても、多くの場合、それを そのまま私たちが把握できるわけではない。 だから私たちは、ある時、ふっと変化に気が 付く。私たちにとっては階段状に変化するわ けである。
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からだとは・病とは(38) 給食に温かい牛乳を
10 月31日、娘の通っている伊佐見小学校 の校長宛に次のような申し入れをした。

〈給食に温かい牛乳を〉のお願い
日頃、娘がお世話になり、ありがとうござ います。 この度は標記の件について検討をして頂 きたく書面と致しました。 現在、給食では毎回、かなり冷たい牛乳が 出されていると聞いています。温かい牛乳を 飲めるようご配慮頂きたいと思います。娘が カゼぎみの時に、給食の牛乳を飲まないよう に頼まなければいけなかったのは残念なこと でした。
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からだとは・病とは(39) 続・給食に温かい牛乳を
日新聞11 月 21 日夕刊の「夕歩道」に「現 代の日本人は異常に冷たい液体類を飲んでい る―という話をラジオでお医者さんがしてい た。」「良しあしはともかくこの傾向はいずれ 私たちの体に影響をおよぼすのではないか。」 とあった。「いずれ」ではなく、既に「あし」 き影響が出ているのである。
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からだとは・病とは(40) 未病を治す
東洋医学は「未病を治す」と言われる。最 も広義での「未病を治す」ことの意味を説明 しよう。 カゼを引く場合で考えてみる。西洋医学的 にはカゼの原因はカゼの病原微生物(ウイル ス・細菌等)ということになるわけだが、東 洋医学ではそうした外から来る原因(外因) だけでなく、からだ自身が元から抱えている 内側の原因(内因)を問題にし、重視する。 内因は言い換えれば、広い意味で免疫力の低 下であり、体質の問題である。
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からだとは・病とは(41) 病気も生きている
毎月、鍼道研修会を開いている。5月には 「病気も生きている」(横田観風著『万病一風 論の提唱』)を取り上げた。 著者は 24 歳の時に突然の心臓発作で意識 を失った。救急車で病院に運ばれ、一命をと りとめた。3日後に意識が回復した。重度の 心臓肥大であり、その後も発作を繰り返した。 縁あって灸治療を受け始めた。1年後から目 まいや頭痛・嘔吐が起こる様になった。3年 目にドロっとした黄色い塊を吐き、その後は 重い心臓発作が起こらなくなった。病院で検 査すると、心臓肥大が治っていることが分か った。しかし今度は激しい視覚異常の発作が 嘔吐や頭痛と伴に起こる様になった。・・。
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からだとは・病とは(42) インフルエンザ対策考:免疫力と防衛力
インフルエンザは過去5 年間で最大の流行をして いたという。鳥インフルエンザからの変異による新 型インフルエンザの発生も危惧されてもいる。 2月初めに NHK の「ためしてガッテン」 と「ご近所の底力」がインフルエンザ対策を取り上 げていたので見てみた。Aソ連型6 割、A香 港型 3割という割合で同時にはやっている上 に、今年のAソ連型はほとんど抗ウイルス薬 タミフルに耐性を持っているという。 共通に出て来たのは①飛沫感染の実態、② 新予防法としての口腔ケアであった。
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からだとは・病とは(43) インフルエンザ対策考:耐性と陰証
前回に触れなかったが、インフルエンザ対策を取 り上げた2月初めの NHK の「ためしてガッ テン」で指摘しておきたい事が 2 点あった。
先ず第一点は、今年の Aソ連型はほとんど 抗ウイルス薬タミフルに耐性を持っていると いうのは実験室内での結果で、臨床的には昨 年と同様に効いているという話である。これ はタミフルが効かないという報道に不安を持 っている人に対して、安心して病院に行き、 タミフルを出して貰って下さいという流れの 話だとは理解できる。しかしこれでは科学を 標榜する西洋医学としては極めて粗雑である。
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からだとは・病とは(44) インフルエンザ対策考:漢方薬
インフルエンザに対する新薬開発の動きはある が、タミフルなどと同じく、ウイルスの方で 耐性ができるという問題がいつも起こり得る。 また新型インフルエンザの場合、既存のインフルエンザと 違って私たちに狭い意味での免疫がなく、感 染爆発が予想されている。そうなると社会的 に混乱し、病院で簡単に治療を受けられなか ったり、病院に行くことが反って感染する可 能性を高めたりということもある。 これを機に私たちは東洋医学の伝統を取 り戻そう。インフルエンザ対策として、ぜひ麻黄湯・ 麻黄附子細辛湯・真武湯を備蓄しておこう。 エキス剤(顆粒)を冷凍庫か冷蔵庫に保存す れば、かなり長持ちする。
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からだとは・病とは(45) 検査はほどほどに
毎週治療しているA子さんから電話があっ た。予約の日ではないが、腰痛で治療を受け たいと。これまで腰痛を訴えたことはなかっ た。特に原因らしいことはないと言う。前屈 時にも後屈時にも痛い。先ず手かざしして診 ると、左腰の背骨近くに縦に気 . が強く凝滞し ている。直接按じて筋が突っ張りを確認した。 そこに鍼を刺して凝滞している気 . を放つ。最 後に足首の外側、背部を流れる経絡にある崑 崙というツボに鍼をかざして、背部の気 . を流 す。突っ張っていた筋が緩んだのを確認した。
治療後、腰痛が治ってホッとして いるA子さんと改めて、原因を探っ た。
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からだとは・病とは(46) 安産・催生・堕胎
妊婦には安産鍼をする。妊娠を順調にして、 妊娠中に起こりやすい腎障害を予防し、逆子 などを予防する。安産鍼の要点は二点ある。 ①気 . が下腹(陰部)に集まっている正常な妊 娠状態を保つ為、②腎臓機能を正常に維持す る為である。
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からだとは・病とは(47) 久し振りのお産に思う
7年振りのお産となった。8月 28 日が出 産予定日だった。25日の検診では子宮口がそ れ程開いておらず、「まだまだ」と言われた。 前2回のお産でもそう言われたが、そうはな らなかったと妻が言うので、夕方、仮眠用の 寝袋など用意し、また、子供たちには夜に居 なくなっていても、心配しない様に言ってお いた。果たして、翌 26日午前 2時過ぎに妻に 起こされた。車で病院に連れて行った。3時 頃入院し、5 時半頃、出産した。3200g余り であった。既に前日から入院していた初産婦 は、遅れて6時頃出産した。妻に比べると、 かなりたいへんそうな様子だった。その初産 婦が母子同室を望まなかったお蔭で、個室が 埋まらず、すぐに母子同室になれた。
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からだとは・病とは(48) 続・久し振りのお産に思う
日頃、元気な妻を知っている人は、妻のお 産の軽さや妊娠中・出産後の元気さを見て、 「さもありなん」と思ったかもしれない。そ れは半分正しく、半分正しくない。 元気な妻でも、姙娠中、食欲不振や腰痛、 大腿部痛にもなった。後期には、妊婦検診で 問題にされることは無かったが、むくみが下 肢に出ていた。週1回、私が安産鍼をし、ま た体質的な問題を緩和する鍼をした。また問 題が出た場合にはその度、それに対応して鍼 や漢方薬を選用した。妻自身も摂生に努めて いた。好きなコーヒーを減らし、食べられな い時には無理をせず、夜更かしを改めていた。 そしてほとんど、妊娠前と変わらず、家事を し、PTA や生協の役員の仕事をして、活発に からだを動かして働いていた。
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からだとは・病とは(49) 新型インフルエンザ騒動
5月に空港での厳重な検疫のニュースで 始まった新型インフルエンザ騒動は、流行自体は収 まったわけではないが、騒動としては収束し て来ている。集団感染した学校への非難や、 集団行事の中止、マスクの品切れ、予防接種 への希望者の殺到等という現象の中にあった 過剰な反応を見れば、「騒動」と言っていい。
この騒動を私は身近で見聞するとともに、 主に中日新聞を読んで、世間の動きを注視し ていた。最も幸いだと思ったのは、感染者に 対して強制的な隔離や治療がされなかったこ とである。
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からだとは・病とは(50) ミネラルと一物全体食
雑誌『食品と暮らしの安全』が最近、現代の食
生活におけるミネラル不足の問題を取り上げてい
る。ミネラルは栄養としては脇役である。自然素
材を使って家庭で調理していた以前ならば、自ら
摂取されていて、問題はなかった。ところが現代
においては、それが不足し病を生んでいるという。
先ずミネラル不足を生む現代の食の問題点がまと
められている部分(№250 2010.2.1発行)を引
用しよう。
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からだとは・病とは(51) ミネラルと一物全体食(2)
前回の説明では分かりづらかったと思うので、 いくつか補足しよう。
先ず、ミネラル(無機質)の、体の構成における 意味合いを、【体を構成している元素】の表に整 理した。 ミネラル(準主要元素・微量元素)は主要元素に 比べて圧倒的に微量だが、生体にとって欠かせ ないものがあり、その種類は研究が進むにつれ 増えている。例えば酸素を運ぶヘモグロビンは、主 要元素が約 1万個以上に対して、鉄は4個だけ で構成されているが、鉄は不可欠である。また 細胞分裂に必要なビタミンB12にはコバルトが欠かせ ない。生体内ではタンパク質である酵素が様々な働 きをしているが、特定のミネラルがあって始めて働 く酵素が多い。
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からだとは・病とは(52) ミネラルと一物全体食(3)
『食品と暮らしの安全』がミネラル不足について 取り上げ始めたきっかけは、弓田亨氏(パティシエ) の「力がない日本の食べもの」という指摘であ る。 前回では、加工食品への依存を問題にしてき たが、弓田氏の指摘は、更に深刻で、日本の食 材そのものが元からミネラル不足になっているとい うものだ。その上に、家庭での料理によって更 にミネラル不足にされているという。 植物は土壌から栄養素を吸収するわけだが、 その土壌にミネラルが不足していれば、ミネラル不足の 植物が育つことになる。化学肥料には限られた ミネラルしか含まれていない。有機肥料を使ってい ても、それをミネラルにまで分解してくれる微生物 が豊富な土壌でなければ、植物は吸収できない。 また、そうした農業で生産された飼料を使った 畜
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からだとは・病とは(53) 坐骨神経痛の気(け)
6月頃、小学校の参観会に行った。授業は「英 語活動」で、入口から奥の窓際に立って参観し た。20分程すると、腰から右膝にかけて痛みと 痺れを感じ始め、それをがまんしていると、冷 や汗が出て来た。まだ授業は終っていないが、 少し脚がガクガクするのを抑える様にして教室 を出た。右腰の筋肉の凝りが強く、それが坐骨 神経に影響し、坐骨神経の支配域である下肢に 異常が及ぶ坐骨神経痛である。
右腰の軽い腰痛は以前から感じていた。それ が悪化したのは、昨年 8 月末に息子が生まれ、 毎日、オムツをしゃがんで洗ったからである。 腰に感じる痛みをがまんして洗っていた。座っ ていれば、問題ないが、長く立ったり歩いたり すると、右下肢がおかしくなった。4 月末の運 動会で歩き回っていた時にもひどかったが、参 観
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からだとは・病とは(54) ちらせなかった虫垂炎
治療に来ている看護婦から電話があった。同 じ総合病院に勤務している医師が虫垂炎で、ち らすのがうまく行かず、周りから手術を勧めら れている。本人は手術を嫌がっており、紹介し たいと。 医師の家族からの電話で予約して来たので、 電話もできない程なのかと思ったが、治療には 本人一人でやって来た。 1週間前に腹痛があり、 虫垂炎と診断された。鎮痛剤・抗生剤により、 痛みは収まったが、だるさと吐き気があり、昨 日からは更に調子が悪く、食べられないとのこ と。
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からだとは・病とは(55) ミネラルと一物全体食(4)
秋も終わりに近づいている。私は近くの公園 の栗やお寺の銀杏の恵みを受け、秋の味覚を味 わっている。それらは植物の種子であり、生命 の源となる栄養素を含んでいるはずである。 雑誌『食品と暮らしの安全』№258 が水道水 と純水、そして浄水器の水で小松菜の発芽実験 を載せていた。「純水」というのは、ミネラル等 不純物が除かれた水で、蒸留水や精製水がそれ に当る。実験の結果、発芽し成長が始まって数 日は差が出なかったが、1週間ほどで差が出て、 9日後には顕著にその差が分かる様になった。 9日後の写真が載っている。水道水と浄水との 差はなく、純水のものだけが成長が遅れている。 こう解説されている。
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からだとは・病とは(56) にきび治療の顛末
長身の 30 前の女性が紹介で来院した。首・ 肩の凝りがつらいと言う。初回の治療でよく効 き、すぐに、同じく肩凝りに悩む母親を連れて 来た。彼女は何度か来院していたが、ある時、 顔が赤くなってしまい来れないと予約キャンセ ルの電話があった。その数日後に来院した母親 から事情を聞くことができた。
1 ヵ月後の友人の結婚式前に、にきびを治療 しておきたくなって、皮膚科を受診し、そこで 薬を貰って塗ったりしたところ、顔が赤くなっ てしまったと言う。今は別の皮膚科に受診して 薬を貰っているが、赤くなってしまった顔が良 くならないと。
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からだとは・病とは(57) 夜尿症
小学 5年生の男の子だった。週に3・4回だ という。野球一家で母親以外、父や兄、姉も野 球をする。この子も学校外の野球クラブに入っ ていて、毎日のように練習があるようだった。 ストレスを感じ易いと母親は言う。 胸、腹を診察した。胸はざわつき熱がこもっ ている様子だった。お腹は虚していて、ガスが 多くやや膨らんでいる。胸の熱に対応して唇は 赤く乾燥し、舌先も赤くなっていた。 胸があの様では確かにストレスを感じ易いだ ろう。胸は心の場所で、精神的な問題が大きい 人は胸における気の滞りが強い。不安があれば、 眠りも浅くなるだろう。腎臓は通常、眠ってい る間は尿を濃縮して、尿量を少なく するが、眠りが浅いとその機能が働 かない。その為に夜尿症になってい るのだと思われた。
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からだとは・病とは(58) 不幸な、でも幸いな1週間
8月26日日曜に次男は3歳となり、誕生パー ティーをした。次男にも家族にも幸福な誕生日 だったが、翌日の朝食後、「次男が熱い」と連れ 合いが言う。診ると、どこを触っても熱い。も ちろん元気な子供だから、普段から熱いわけだ が、更に高熱である。背の最上部付近が特に熱 が発散しているので、葛根湯を4時間置きぐら いで飲ませ、眠った時に鍼をした。鍼は刺した り触ったりしない空中鍼である。夕食の時に、 食べると口の中が痛いことが分かった。夜にな って、熱感がなくなり、風呂は自分から入りに 来た。風呂の中では機嫌良く遊んだ。
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からだとは・病とは(59) 精神薬の離脱症状??
関西に住んでいる知人(女性)から病気の相 談を受けた。ストレスで精神科の薬を服用し、 不妊症・不育症・子宮筋腫除去手術などの病歴 がある。現在は口の痙攣や様々な場所(耳元、 歯の付け根、首筋、背中、膝の裏など)の痛み がある。冷えると、そうした症状が強くなると 言う。マスコミで知ったのか、有名な先生に中 国鍼の治療を4回受けたが、まだ良くなったわ けではないのに、「もう来なくてよい」と言われ たそうだ。 不妊症・不育症・子宮筋腫などから判断する と、血毒の問題が強いと思われた。その血毒が 口周辺に上って口の痙攣を起こし、様々な場所 へ行って痛みを起こすのだろう。
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からだとは・病とは(60) リウマチ・膠原病
少し以前のことである。治療に来ていた娘さ んの紹介で慢性関節リウマチの患者が来た。70 代前半の女性で、専門医にかかって7年目。左 手第1・3・4指、右手第3指が特に痛く、肩・ 膝・足首等にも痛みがある。朝は動きにくく、 痛みが強い。「リウマチの痛みをやわらげたい」 と言う。また、食欲がなく、深呼吸を繰り返す と胸が痛む。リウマチの薬を飲んでから、軟便 だと言う。 診ると、胸は全体に気 . が滞り、胸の下部中心 部辺りに邪熱を感じる(熱気があり、異常なエ ネルギーが出ている)。上腹部は縦にすじばって 硬く、ミゾオチに痞えがある。臍の下には水毒 (水の滞り)があった。
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からだとは・病とは(61) 味噌造りでの息子の不調
毎年 2月の日曜日に、知り合いの農家で味噌 造りをしている。野外で薪をくべて、朝から大 釜で大豆を煮る。昼頃に耳だぶぐらいの軟らか さになった大豆を、臼と杵で潰す。潰した大豆 に米麹と塩とを混ぜて、瓶に仕込む。常連の他 に、新しい人も来る。作業をしながら、駄弁る。 日常とは違う、特別な一日を過ごすことができ る。里の文明(里山・里海と共生する人類の生 活)での日常を体感する。
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からだとは・病とは(62) 月1回起こる頭痛・吐き気
「漢方薬を煎じてみよう」という講座を時々、 開いている。テーマに合わせて、薬方(漢方薬) を選び、実際に煎じて味見する。ある時は葛根 湯を選んだ。葛根湯を構成している薬味(生薬) は葛根、麻黄、桂枝、芍薬、甘草、大棗、生姜 の7味である。生姜は食事で使うヒネショウガ を使うので、あらかじめ量って刻んでおいた。 それ以外は、1日分の構成量をそれぞれハカリ (0.1グラムまで量れる)で参加者に量っても らう。鍋に入れ、約600ccの水を入れて煎じる。 1 時間かかるので、そ の間に、お話をする。 どういう時にどの薬方 を飲んだら良いか、そ の薬方はどういう薬味 の構成になっているか ら、どういう病態に効 くという様な話をする。
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からだとは・病とは(63) 乳癌の放置?療法
母83歳は昨年 6月に肺炎で1週間程入院して いるが、その時の検査で左乳房に癌があること が分かった。医師によると、初期で増殖性は少 なく、女性ホルモンを栄養にしているものだと 言う。副作用が少ない、女性ホルモンを抑える 薬を勧められた。今はおとなしくとも、急に増 殖し始めることがあると。また詳しい検査をし たいとも言った。 しかし私は母に強く勧めて、そうした処置を 断り、半年後の再検査をお願いした。医師から は早めの再検査を強く勧められたが、断った。
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からだとは・病とは(64) 背の張り、頭痛
調子が悪くなると来院する 40 代前半の女性 看護師。2 週間前は、疲れていて、いつも飲ん でいる酒が飲む気がしないと来院していた。今 回は背中が昨日は左、今日は右が張り、今朝よ りガンガンと頭痛していたが、昼食後に軽くな ったと言う。 先ず手かざしで胸復を診ると、胸の真ん中か らミゾオチ付近に熱を帯びた〈気〉のやや強い 滞りがあり、下腹下部に虚の滞りがあり、どち らもポツポツと当たる邪気を感じた。上腹部を 按圧すると表面的に突っ張っている。頭部を触 ると、〈気〉が盛んに上って来ている。舌を見る と、いつもより全体に赤 みを感じる
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からだとは・病とは(65) 硬膜下血腫の原因?(1)
11 月下旬の土曜、八十六歳の父の歩き方がお かしくなった。下肢に力が入らなくなっている らしく、また、座っていると左に傾いていく。 左手が水平に挙げられない。2 ヶ月前、就寝後 にトイレに行こうと起きた時に壁に頭をぶつけ ているのが原因だろうと推測した。翌々日の月 曜に病院に連れて行こうと考えていたが、夕方 には独りで歩くのもままならなくなり、このま までは夜間に大変になりそうだと考え、脳神経 外科のある休日当番医に連れて行った。予想通 り、慢性硬膜下血腫(右)(脳の硬 膜とくも膜と間に血が溜まる)で あった。入院となり、翌日は日曜 である為だろう、手術は翌々日と なった。手術では頭蓋骨に穴を開 け、ドレイン(排水管)を設置し て、溜まった血を出し、生理的食 塩水で洗浄する。
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からだとは・病とは(66) 硬膜下血腫の原因?(2)
父の慢性硬膜下血腫の顛末は前回、述べた。 その原因について考えてみよう。 最後の原因はもちろん、就寝後にトイレに行 こうとした時の打撲であることは間違いない。 しかし打撲したからと言って、必ずこうなるわ けではない。そこには父の体質的要因がある(体 調=体質×生活)。物の本に拠れば、大酒家・ 高齢者に多いとあった。高齢であることは仕方 ないとして、父の場合、長年の飲酒習慣や好き 嫌いによる栄養不足が、出血し易く止血しにく い脳の体質を作っていたわけだろう(現在の体 質=先天的体質×これまでの生活)。
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からだとは・病とは(67) 効かない漢方薬(1)
2月・3月と、「漢方薬を煎じてみよう」とい う講座を行った。 2回とも約 20 人の受講者が集 まった。こうした講座は初めてではないが、毎 回、改めて準備をする。その中で私自身の漢方 周辺への理解が深まる。今回は特に「効かない 漢方薬」という問題点で深まった。 医師に処方してもらう漢方薬は通常、医療用 エキス顆粒製剤である。思い通り処方して貰え れば、保険が効くから安く済む。医師が的確に 判断して処方するという前提の下に制度はでき ているが、実際にはそうでなく、かと言って、 なかなかこちらの思うように処方して貰えない。
そういう状況で漢方薬を使いたいと思えば、 一つは漢方薬店での煎じ薬か、市販されている 一般用の漢方製剤を購入するということになる。
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からだとは・病とは(68) 効かない漢方薬(2)
漢方薬が効かないのは、病態に合った薬方が 使われていないという根本的な問題があるが、 それ以外の問題によっても、効くべきものが効 かされていない。前回は一般用漢方薬が、医療 用に比べ少ない服用量が指示されている問題を 取り上げた。今回は医療用であっても、本来の 効果が発揮される服用法がなされていないとい う問題を取り上げる。 麻黄湯を例に説明しよう。麻黄湯はインフル エンザに対する臨床試験で、タミフルなどの抗 ウイルス薬に劣らぬ解熱効果があることが発表 されている。
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からだとは・病とは(69) 慢性疲労症候群
見た目は元気そうだった。1 年以上前から脱 力感があり、疲れを強く感じていると言う。汗 が熱くもないのに出る。3 つの病院で検査を受 けたが、異常なし。以前は浜名湖1周を自転車 で回ることができたし、浜松市内をどこでも自 転車で動き回っていたようであるが、それがで きないと言う。その他、便通不順(ガス多い) を苦にしていた。 考えられる原因らしきものは二つあった。一 つは、数年前にある炎症に対して抗生剤を1年 近く飲み続けていたこと。これにより、腸内の 菌叢の状態を悪化させていることが、便通不順 や栄養吸収等に大きく影響しているのではない かと考えられた。 もう一つは、ローフードダイエットRaw food dietという食事をしていること。
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からだとは・病とは(70) 〈気〉が誘導される環境
一昨年、当時小4の息子がキノコに興味があ った為、鳳来寺自然博物館でのキノコ観察会に 参加した。息子は様々なキノコに出会えただけ でなく、青大将(ヘビ)の子どもを抱くことも でき、喜んでいた。 その後、林立した大きな木に囲まれた、鳳来 寺山登山道入り口まで行って、お弁当を食べた。 そこで、私の〈気〉は大きく動き出した。 自然の中、特に大きな岩石や大きな木、ある いは渓流には、自然の〈気〉が大きく動いてい る場所がある。滝がある場所 だと、岩盤を渓流が下って来 ているから、特に〈気〉の流 れは大きく、川の流れと同じ 方向に流れている。そうした 場所に行くと、こちらの体内 の〈気〉も誘導され、動き出 す。
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からだとは・病とは(71) 左手のシビレ
以前の話である。普段、元気な連れ合いが珍 しく、治療して欲しいと言う。自分から時間を 作って頼むのは余程の事である。聞くと、数日 前より左肩甲骨内側下部に違和感があり、仰向 けに寝ると左手が痺れて来ていた。それが悪化 し、今は左肩甲骨内側下部が痛み、寝なくても 左手・左肘が痺れ落ち着かないと。 局所治療でよいと思ったが、久しぶりなので、 からだ全体的な様子も診ることにした。仰向け に寝てもらい、胸復を手かざしで診た後に、鍼 かざしで様子を診つつ、滞りを減らした。する と胸復を頭から足へと縦に流れる経脈で中央よ りやや左手側の経脈が強 く滞っているのが分った。 下腿のツボに鍼して、こ の経脈を響かす。
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からだとは・病とは(72) 薬食同源・薬毒一如(1)
数年前から日除けとして、ナタ豆を植えてい る。大きくりっぱなナタ豆は見た目にも楽しく、 話題も提供してくれる。新聞には時にナタ豆茶 の宣伝があり、それで知られているのか、「薬に もなるんだから、食べなきゃ」と言う人もいる。
薬には良いイメージと悪いイメージがある。 ナタ豆が薬になるから、「食べなきゃ」と言う人 は良いイメージで捉えているのだろう。そうい う人には「ゴキブリも薬だから、食べたら、ど う」と言いたくなる。ゴキブリの生薬名は「䗪 虫しゃちゅう」という。他にも土竜どりゅう(ミミ ズ)、蜘蛛ちしゅ(クモ)、蠐蟒せいそう(ゴミ虫)、 蝱虫ぼうちゅう(キイロ アブ)なども生薬であ る。
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からだとは・病とは(73) 薬食同源・薬毒一如(2)
自然物の中で三大栄養素を多く含むから美味 しいと感じる物が食材となり、まずい物が薬材 となる。そして薬材がその効能・使い方が明ら かにされた時に、それは生薬となる。前回はそ うした事を説明した。
効能・使い方がどう明らかにされているかが 生薬にとって重要であるわけだ。「薬毒一如」で あるから、効能・使い方と無関係に「薬」であ ることはできない。「薬」のつもりで「毒」を摂 取することになりかねない。
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からだとは・病とは(74) 薬食同源・薬毒一如(3)
これまで考察で、自然物の何が食材となり、
何が薬材となるのか、そして薬材の中で何が生
薬として使われるのかが分った。食材と薬材の
境は曖昧である。そこら辺のところを、「薬は偏
性の者」(吉益東洞)、「上薬・中薬・下薬」(《神 農本草経》)という言葉から考えてみよう。
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からだとは・病とは(75) 薬食同源・薬毒一如(4)
生薬における「上薬・中薬・下薬」の分類を 「薬食同源」に結び付けてみれば、食材は「超 上薬」と表現でき、薬材と食材の垣根はなくな って、自然物全てが薬材と見ることができる。 そして通常の食材の場合、三大栄養素が多く含 まれる部分を「超上薬」、それ以外の部分を「上 薬」と分けて見ることができる。前回はそのよ うなことを述べた。 元々の話はナタマメから始まった。「ナタマ メは薬になるものだから食べた方が良い」と言 った人は、果たして、食材の上薬的部分をしっ かり食べているのだろうか。お米は糠を削り落 とし、ジャガイモやサツマイモ、トマト、リン ゴ等は皮を剥き、温州みかんはフクの中味だけ を食べているのではないか。煮干でダシを取る 時は、頭と内臓を除き、焼き魚は皮を食べてい ないのでは
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からだとは・病とは(76) 1 週間高熱が続く
40℃弱の高熱が続くということで、休診日の 日曜日だが、急患として受け入れた。高3男子 が両親に連れられて来院した。
咳などカゼ症状はなく、また、高熱の割に寝 込む状態ではない。病院では原因が分らず、膠 原病かもしれないと言われている。最近になっ て、食欲が落ち、今朝40℃になったので、解熱 剤を飲ませた。今日はややノドが痛むと言う。
診ると、病能はよく分った。胸の下部、胸と お腹の境辺りに熱邪がある。典型的にはカゼを ひいて、こじらせ、4~6日経った状態である。 ただ、聞いても、カゼを引いた記憶はないよう である。この状態は漢方では少陽病と言われ、 小柴胡湯類を使う病態である。脈もこれに対応 して、やや弦のような状態になっている。
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からだとは・病とは(77) 榎木孝明の約「不食」
映画『地球交響曲』シリーズでナレータをし ている俳優・榎木孝明が最近、30日間「不食」 をしたと報じられた。Face book に彼自身によ る報告がある。 調べたところ、彼はヤワなインテリ俳優では 全くなく、古武道に熟達し、絵を描き、若い頃 はアジア諸国を一人旅していた。知的にも肉体 的にも活発に活動し、とても健全で健康そうで ある。報告を読むと、『地球交響曲』そのものの 価値観を持っている人だとも思えた。 「不食」と言うが、ブラックコーヒーと日本 茶は飲み、医師の助言により、手足がだるくな った時に糖分を摂り、検査結果を踏まえ、塩飴 を舐めている。それは僅かなようだが、約「不 食」ということになる。
からだとは・病とは(77) 榎木孝明の「不食」.pdf
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からだとは・病とは(79) 歯科検診と歯肉炎
高2、中1、年長と3人の子供がいるが、皆、 歯医者に行ったことはない。幼稚園や学校での 歯科検診で「むし歯の初期症状が疑われる歯が ある」となったことはあったが、受診しないま ま、次の時には問題なしとなったことはある。 だいたい、「疑われる歯がある」としながら、 どの歯なのか記されていないのは何故なのだろ う。どの歯か分かれば、素人なりに確認しよう と思っているが、それができない。たくさんあ る歯科医院への受診者を増やすために、とにか く受診させたいのではないか。受診して「虫歯 でない」と否定されても、検診を恨むことなく、 患者は喜び、歯医者にとっても好都合だからで はないか。患者の自己負担は補助などあり僅か だが、X線検査では放射線を浴びるなど不必要 に不自然な処置を受けること
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からだとは・病とは(80) 縦に二重に見える
患者の紹介で六十代・四十代(母娘)が来院。 母親は五十肩で左上肢の結帯動作(手を背に回 して上げる動作)が十分でない。通っている整 骨院では「1 年すれば、良くなる」と言われて いる。娘は腕を動かした時に左上腕が肩に付く ところで痛む。どちらも一度で良くなり、驚い ていた。母親の五十肩は根が深いものでなかっ たが、通常ではもう少しかかる。だが、「1年」 というのは放っておいた場合で、何も治療しな いに等しい。 すぐに七十代の父親を連れて来た。「眼の調 子が良くない」と言う。「片目では問題ないが、 両目で見ると、縦に二重に見える(両眼性複視)。 カゼを引き、治ったが、フアフアした感じがあ る。車の運転ができない」と。
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からだとは・病とは(81) 高血圧
回の患者の奥さん六十代であるが、五十肩 はともかく、首・肩、更に腰もかなり凝ってい た。やや胸満、そしてやや腹満(水毒があり、 そこから発生したガズが充満ぎみ)であった。 更に胸では血毒に関連すると思われる邪気を感 じた。舌は苔で覆われ、胃に停滞した水毒を示 している。舌尖の赤みはミゾオチの上、心部の 熱を示す。ご主人より反って悪そうな状態であ るが、急性症と慢性症の違いがある。ご主人は カゼの熱が関わり急性症であった。 さて、奥さんは一回目の治療後、五十肩がな くなっただけでなく、首・肩の凝りをとても楽 になったと驚いていた。
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からだとは・病とは(82) 腱鞘炎様痛みの根幹
ある患者が治療中に腱鞘炎で困っている友人 がいると言っていた。50 代女性でマウスをよく 使う仕事なのでたいへんなのだと。 筋肉は腱となり関節をまたがって骨に付着し、 関節を動かす。腱はストローの様な鞘を通って スムースに動く様になっている。その鞘が腱鞘 であるが、それが腫れて膨らみ、腱が動くと痛 む様になるのが腱鞘炎である。 しばらくして、本人が来院した。2 ヶ月前に 先ずタブレットを使う左前腕手首前後が痛み出 し、10日程前からはマウスを使う右前腕手首前 後の方が強く痛み出したと言う。問診票を右手 で書く時も痛いと言う。腱鞘炎と言えるかどう かは分からないが、いずれにしろ、筋肉に関係 するスジが痛んでいる。
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からだとは・病とは(83) 脊椎すべり症
40歳前後の女性である。10年以上前に腰椎4 番・5 番が前にずれている脊椎すべり症と診断 された。ずっと様子見で、カイロプラクティッ クの治療を受けたりしていたようだ。それが最 近になって、腰痛や左下肢全体の違和感・しび れ感があり、左下肢に十分に力が入らなくなっ ていた。そのため最近、整形外科で手術を強く 勧められたと言う。かなり不安そうな様子で来 院した。 脊椎の関節突起のあいだで骨の分離もある脊 椎分離すべり症であり、椎間板ヘルニアも伴っ ている。その他にも左背全体の凝り感、両手指 のしびれ(左>右)、食欲不振、のぼせ、手足の 冷え、息切れなどの症状がある。西洋医学では 脊椎すべり症とこれらの症状は全く別のものと 捉えるが、東洋医学では一体と観る。
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からだとは・病とは(84) 円形脱毛症
40代の女性である。久し振りに来院した。か なり忙しく、ストレスを感じることが多い生活 が続いていたようであるが、やっと最近、落ち 着いたと言う。半年前から頭痛が続き、この春 からは円形脱毛症となった。胃腸が弱く、朝食 を食べると痛くなるので、最近は食べていない と言う。便通も悪く、2日に1回。腰にも違和 感がある。 頭を触ると、ザワザワした熱感がある。上腹 部・下腹部ともに固まっている。背は全体に凝 っている。腰は虚し固くなっていて、多くの場 合よりその範囲が広い。
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からだとは・病とは(85) 漢方薬の誤用
毎週来院している 50 代女性から、夕方、 「これから診てもらいたい」と電話。急な予約は
初めてである。3週間程前から軽い唇と顏の荒れが続いていて、2日前にも治療をしていた。
上腹部が虚し(エネルギーが少ない)、それに対応して胸下部が邪熱(異常な気と熱)を帯
びていた。この邪熱が上に昇って唇や顏を荒れさせていた。黄連湯という漢方薬の併用を勧
め、処方して貰えそうな診療所を紹介しておいたところだった。
夜の来院時に話を聞くと、友人から「漢方専門医」を紹介されたので、私の紹介した診療所
は受診せず、そこを受診したところ、桂枝茯苓丸・四逆散という漢方薬と、ワセリン、タク
ロリムス軟膏(アトピー性皮膚炎治療剤) 、ヘパリン(血行促進・皮膚保湿剤)等を処方さ
れ、使った。
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からだとは・病とは(86) 部活から拡がるドーピング文化
中学 3年になった息子の部活(運動部)の保護者会が年度始めにあり、出席した。苦情を公
に言いたかった。顧問は元々、アスリートであり、指導は熱心で厳しいが、生徒たちの信頼を集
めている。実際、4・5年前に比べて、部活の成績がかなり伸びている。ところが昨年初め
頃、練習の後にプロテインかアミノ酸の錠剤を飲まされていると、息子から聞き、愕然とした。以
前から肉を食べろとか、牛乳を飲めとか言われているのは知っていたが、錠剤まで生徒に与
えているとは驚いた。すぐに苦情を言いたかったが、息子は嫌がった。苦情を言う事で、息
子が何らかの不利益を被る可能性もあり、なかなか苦情を言えずに来てしまっていた。
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からだとは・病とは(87) 滅茶苦茶な漢方薬処方
いつも慢性病で通っている患者が医師から処 方された漢方薬を見て、愕然とした。3日前の初 診で、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)、麦 門冬湯(ばくもんどうとう) 、竹茹温胆湯(ちく じょうんたんとう)が同時に処方され、「効かな い」と言って再診したところ、昨日は滋陰降火湯 (じいんこうかとう)、釣藤散(ちょうとうさん) 、 麻子仁丸(ましにんがん)が処方されていた。患 者は「カゼではなく、ただ咳が続くので病院で診て貰い処方された」と言う。診ると、胸下部に異 常な気と熱がある小柴胡湯証(小柴胡湯が効く病 態)に近い。
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からだとは・病とは(88) 週刊新潮『「漢方」の大嘘』への賛同と反論(1)
週刊新潮が9月14 日号と 9月21 日号で『「漢 方」の大嘘』という特集を載せている。 この特集はツムラが、いかに日本の漢方を牛耳 って来たか述べられている。つまり、ツムラは漢 方薬がたくさん使われるよう、漢方医を促成する 講習会を組織し、漢方の知識がなくても処方でき るようにマニュアルを作った。その結果、「マニ ュアル漢方」により漢方薬が使われ、中毒事故を 起こした。東洋医学会の漢方専門医制度もツムラにより歪められており、「漢方専門医」といって も信頼できないことが分かる。
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からだとは・病とは(89) 週刊新潮『「漢方」の大嘘』への賛同と反論(2)
特集への賛同と反論(1)では、主に賛同を述べ たが、ここでは反論が主となる。この特集は現代 中医学の立場から書かれ、マニュアル漢方を古方 漢方と誤解しているからだ。内容を見ていこう。 特集の文章は簡略化して引用する。 現代中医学の考えが出てくる。 「治療法は人ご とに違い、その人はどういった性質であるかを “証”といい、証を見て、その人に合ったものを 出す」。古方漢方での証は、そのように病む前からその人の体質として備わっているものではな く、病んだ時の病態である。その証に従って薬方 を決めていくことを方証相対という。
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からだとは・病とは(90)  浜松市食育推進計画へのパブコメ
特集への賛同と反論(1)では、主に賛同を述べ たが、ここでは反論が主となる。この特集は現代 中健康はままつ21推進協力団体になっているので、「第3次浜松市食育推進計画(案)」が送られて来た。気になる点があったので、パブリックコメントすることにした。
① 「地産地消」が推奨されているが、この言葉は地域経済の振興のための言葉で、食育に使われているのはおかしい。「暮らす地域の旬の物を食べる」等への変更が必要
地域経済の振興をからめたい気持ちは分かるが、「地産地消」は健康に結びつかない。
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からだとは・病とは(91) あなたの脈には神あるか?
脈を診るというと、一般の人は脈拍を数えるというイメージだと思う。以前は中学校のスポーツテストで行われていた踏み台昇降で脈を診たが、それもなくなった。若い人では脈を診る機会は普通にはないのだろうか。
脈についての思い出がある。若い頃、ある場所で安静時にも関わらず、脈拍が120近くあった。通常の2倍である。坂本九が亡くなった日航機事故を私はネパールで、ラジオを聴いていて知った。旅していた私は、ヒマラヤ・トレッキングに出掛けた。
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からだとは・病とは(92) 過敏性腸症候群で半年欠席
11月、中学3年生が親に連れられて来院。
半年前から腹痛・下痢が続いていて、過敏性腸症候群と診断されている。1ヶ月前からは胃もたれ・吐き気があり食べられず、頭痛も時々あると言う。学校は半年欠席している。そのため、公立高校には入れないと言っていた。勉強は嫌いではないようで、塾には行っている。漢方薬治療を受けているが、良くなる様子がなく、来院したようだ。お母さんも本人も様子が暗い。
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からだとは・病とは(93) 運動好き高齢者の頑張り過ぎ?
2月半ば、近所に住む70代半ばの女性が来院。ラジオ体操を頑張ってやったためか、両肩が動かすと痛くなり、カーブスで指導に従っていろいろ運動したら、腰や股関節が痛くなったと言う。膝も痛く、正座はもちろん、中腰もできない。仰向けに寝てもらうのも簡単ではなかった。腰部の脊椎すべり症がある。肩の調子悪いと指に力が入らなかったり、右中指がばね指になったりすると言う。リウマチ検査では問題ない。時に動悸がある。心療内科で痛み止めや筋肉をやわらげる薬を貰っている。
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からだとは・病とは(94) 急患(全身が痺れて震える)
夕食をとろうとしているところに、時々来院する患者が予約もなく来た。
体中が痺れると言う。ぶるぶると震えている。家で「持ちにくい」ので、いつものように自分でお灸しようと思っていたら、からだが「痺れて」きた。予約の電話をしようとしたが、手が震えてできず、来院したと言う。
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からだとは・病とは(95) 今日もすてきな1日だった
精神的なストレスは東洋医学では内因とされ、外因(気候・病菌などの外部からの影響)、不内外因(生活における不摂生)と病因が三つに分類される中で、最も重要な病因である。内因がなければ、他の原因があっても病とならないとされている。
それはともかく、心の問題は健康であることのために重要であることに異論はないだろう。ストレスが多いと悩んでいる人は多いが、ある事象が最初からストレスであるわけではない。
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からだとは・病とは(96) 顎関節症の原因?
50代男性が来院。顎関節症で、矯正具を口内に付け、少しずつ矯正する治療を歯科で受けている。矯正の影響なのか顎がだるく、またそれ以前から季節の変わり目になると、からだ全体がだるくなると言う。頸椎ヘルニアがあり、時に下痢・軟便となり、のぼせる。
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からだとは・病とは(97) 食養生の片手落ち ~毒は自らが作り出す~
乳製品等の動物性食品も食べない完全菜食を長く実践しているという患者が来院。主訴は膝の腫脹。打撲したのではなく、原因不明だと言う。他に体調の不良はないと言う。
診ると、全体的に気の滞りがあり、結果として血液ほか体液循環が悪い。特にお腹は重く張っている。お腹の中がスジ張り、ガスが多く発生している。気血の循環が悪いために胃腸の働きが悪く、飲食物が滞っているということだ。
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からだとは・病とは(98) インフル治療で吐気・下痢
今冬も何人かのインフルエンザ患者を診た。40代の男性がお子さんと一緒に来院。
お子さんは1週間前に、体温38.2度で学校を早退し、頭痛・咳・寒気があって来院していた。当日、葛根湯で発汗したが、まだ熱があり、葛根湯を飲んだが、翌日40度だったので病院を受診し、インフルAと判明。高熱だったので、うちに治療に来られず、タミフルを服用し、その翌日には36.9度に解熱した。咳・鼻水、そして中耳炎ぽい感じがあるということで再び来院した。今回、父親と来院した時には、咳を訴える状態だった。
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からだとは・病とは(99) 主婦湿疹・子宮筋腫
2019年5月末、40代後半で未婚の女性が来院。主訴は主婦湿疹で、今冬より出始めた。皮膚科でステロイドなど処方され、治まっていたが、3月末からまた出始めた。痒くて辛いと言う。子宮筋腫(15cm)が子宮外壁にあり、膀胱が圧迫され、頻尿。生理出血多く、時々、貧血。時に黒っぽい塊が出る。冷え性で足先冷たく、肩凝りもひどい。時に片頭痛。肝臓血管腫がある。
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からだとは・病とは(100) 鼻血の瞑眩で乾癬が治る
2019年1月16日、来院。50代女性。再婚の夫がいる。子供はいない。1ヶ月前から頭痛・頭重、鼻づまり、肩凝り。後頭部から項にかけて乾癬。初潮の頃、月に2度生理、子宮発達未熟でピル服用により月に1度となった。子供の頃、風疹悪化で中耳炎、抗生物質服用、その後、カゼのたびに中耳炎で抗生物質服用。そのために、27・28歳頃、カビが原因の肺炎、抗真菌剤服用。乾癬は20歳頃から良くなったり悪くなったりで、1年程ステロイドで良くなったが、中止すると、また悪くなった。
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からだとは・病とは(101) 新型コロナウイルス
緊急事態宣言が出された。東京などでも小・中学校が感染のクラスターとなったことはないと思うのだが、3月の政府による全国一斉休校要請の時と同じ様に、ここ浜松市でも、小・中学校が休校になってしまった。市中感染がなく、登校に公共交通機関をほとんど使ってないから、学校があることでの感染の危険は極めて少ないにもかかわらずにである。
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からだとは・病とは(102) コロナの影に脅かされるな
4月16日、緊急事態宣言の対象地域が全国へ拡大された。17日の中日新聞には、賛成84%、反対12%というLineでのアンケート結果が載せられていた。
賛成の意見を見ると、
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からだとは・病とは 104 ) コロナの鍼灸治療
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